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心理的安全性の作り方|職場で安心して働ける環境づくりのヒント

心理的安全性の作り方|職場で安心して働ける環境づくりのヒント

「職場に心理的安全性を作りたい」「安心して意見を言える環境で働きたい」――そんな思いを持つ方に向けて、本記事では 心理的安全性の作り方 をわかりやすくご紹介します。

仕事で新しいアイデアを出したり、挑戦してみたりするには、「ここで発言しても大丈夫」「失敗しても受け入れてもらえる」という安心感が欠かせません。この安心感こそが「心理的安全性」です。

心理的安全性が高い職場では、生産性が上がり、メンバー同士の協力や挑戦が自然と生まれやすくなります。その基盤をつくる方法のひとつが チームビルディング(チームの信頼関係や一体感を育てる取り組み) です。「心理的安全性を作るのはリーダーの役割」と思われがちですが、実はそうではありません。メンバー一人ひとりの意識や関わり方からでも始められます。

本記事で紹介する 心理的安全性の作り方は、よりよいチームを目指すマネジャーやチームリーダー、上司と部下の板挟みになり働きにくさを感じている方、もっと自分らしく楽しく働きたいと思っているメンバーなど、「心理的安全性を実現したいすべての方」におすすめです。

今回は、塩見康史さん・なかむらアサミさん著『わたしからはじまる心理的安全性 リーダーでもメンバーでもできる「働きやすさ」をつくる方法70』を参考に、今日から取り入れられる実践的なTipsをご紹介します。

■目次
1. 心理的安全性とは?
2. 心理的安全性の作り方
3. すぐに実践できる!心理的安全性を高める6つの方法
4. 日常の実践から体験へ ― 「料理deチームビルディング」で学ぶ心理的安全性
5. まとめ:心理的安全性の作り方

心理的安全性とは?

近年注目されているのが「心理的安全性」という考え方です。心理的安全性とは、自分の意見や気持ちを率直に伝えても、拒絶されたり罰せられたりしないと感じられる状態 のことを指します。アメリカの心理学者エイミー・エドモンドソン氏が提唱した概念で、「失敗を恐れず挑戦できる」「安心して意見を共有できる」環境を表します。

心理的安全性が高いチームでは、メンバーが安心して発言や挑戦ができるため、自然とコミュニケーションが活発になり、信頼関係が深まります。その結果、

・チームの生産性や収益性が高まる
・メンバーのエンゲージメント(仕事や仲間への前向きな関わり)が向上する
・ハラスメントや不祥事が減り、離職率も低下する

といった効果が期待できます。
つまり、心理的安全性は「安心して働ける職場づくり」の土台であり、チームの成果を高めるために欠かせない要素なのです。

心理的安全性の作り方

では、心理的安全性の高い職場をつくるには、どのようなアプローチが効果的なのでしょうか。ポイントは次の2つです。

① リーダー任せにせず、一人ひとりができることから始める

上司やリーダーのコミットはもちろん大切ですが、職場の雰囲気は一人ひとりの関わり方で変わります。人間関係は相互作用で成り立っているため、誰か一人の努力だけでは十分ではありません。メンバー全員が「チームづくりに参加している」という意識を持つことが、心理的安全性の土台になります。

② 大きな変化よりも、小さな行動をコツコツ積み重ねる

心理的安全性は、一度のイベントや話し合いで一気に高まるものではありません。例えば、飲み会で深い話ができても、翌日から職場の雰囲気が元通りになってしまえば効果は長続きしません。

大切なのは「継続」です。そのためには、大きな変化を求めるのではなく、日常の中で実践できる 小さなアクション を積み重ねることがポイントです。無理なく続けられる小さな行動こそが、心理的安全性を長期的に育む力になります。

すぐに実践できる!心理的安全性を高める6つの方法

チームで成果を出すためには、スキルや役割分担だけでは不十分です。大切なのは「安心して意見を言い合える環境」をつくること。心理的安全性が高まると、メンバー同士が互いを尊重し、挑戦を後押しできる関係になります。つまり心理的安全性は、チームビルディング(チームの信頼関係や一体感を育てる取り組み)の基盤そのものなのです。

ここでは、塩見康史さん・なかむらアサミさん著『わたしからはじまる心理的安全性』を参考に、誰でもすぐに実践できる6つの方法をご紹介します。

➀ あいさつからはじめる

心理的安全性を高める最初の一歩は「あいさつ」です。特に会議の前のあいさつは、場を和ませて参加や発言のハードルを下げる効果があります。人は声のトーンやしぐさから相手の状態を感じ取るものです。あいさつ一つで「今日は疲れていそうだな」「元気そうだな」と互いの状況がわかります。無理に元気よく振る舞う必要はなく、「お疲れさまです」「体調は大丈夫ですか?」といった声かけで、お互いを知る時間をつくってみましょう。

➁笑顔で安心感を生む

あいさつは「存在を認める行為」、笑顔は「敵意がないことを伝える行為」です。人は不安や警戒心を抱く相手とは話しにくいものです。笑顔を見せるだけで「安心して大丈夫」というサインになり、コミュニケーションが円滑になります。さらに笑顔や雰囲気は周囲に伝染するものです。活気ある場にいれば元気になり、暗い雰囲気の場では気分も沈みます。だからこそ、笑顔はチーム全体の雰囲気を明るくする大きな力になります。

➂「さん」付けで呼び合う

職場での呼び方は重要です。呼び捨てや「ちゃん付け」は高圧的・不適切に聞こえることがあり、ハラスメント防止の観点から控える企業も増えています。令和の職場では、基本的に誰に対しても「さん付け」が望ましいでしょう。上下関係を和らげる効果があり、心理的安全性の第一歩にもなります。小さな変化ですが、呼び方を整えることが信頼関係づくりのきっかけになるのです。

➃いいねなどの反応をしてみる

コミュニケーションで一番困るのは「無反応」です。発言しても返事がないと、相手は発言を控えるようになってしまいます。雑談でも業務でも、相手に「いいですね」「そうなんだ」と反応を返すことが大切です。ほんの小さな反応でも、居心地の良さや信頼感につながります。

➄仕事以外の話をする

コロナ禍で職場がオンラインに移行した際に、一番良く言われた組織の課題が「コミュニケーションが減った」ことでした。よい関係性をつくるために雑談は大事です。また、業務時間にあえて行うことがポイントです。定例会議や隔週や月1などの感覚で15分~30分程「チームで仕事以外の話をする時間」をあえて設けていきましょう。「コミュニケーション量を増やす」しくみを、ゆるりとつくっていきましょう。

➅お祝いや歓迎の時間をつくる

新入社員の歓迎会や定年退職される方の送別会だけでなく、誕生日やちょっとしたお祝いをチームで共有することも効果的です。会議の最後に「おめでとう」と伝えるだけでも、場が和みます。節目を一緒に祝うことで感情を共有しやすくなり、チームの雰囲気が自然と良くなっていきます。

日常の実践から体験へ ― 「料理deチームビルディング」で学ぶ心理的安全性

ここまで紹介した6つの方法は、日常業務の中でコツコツ積み重ねていくことが大切です。ただし、チーム全員が「心理的安全性の重要性」を同じ目線で理解し、共有認識を持つには、体験を通じた学びが大きな力を発揮します。

例えば、パティアの「料理deチームビルディング」では、料理を一緒に作り上げる過程で自然に会話や協力が生まれ、役割分担や助け合いを体感できます。その体験を通して「安心して意見を交わせる雰囲気」や「相手を尊重する姿勢」の大切さを、言葉ではなく実感として共有することができます。

こうした体験で得た気づきがチーム全体の共通認識となり、心理的安全性は組織に根づいていくのです。

社内のコミュニケーションを促進させたいと考えている方は、ぜひパティアの「料理deチームビルディング」のサービスページをご覧ください。

実際に体験できるプログラムはこちら

料理deチームビルディング|サービスページを確認する

まとめ:心理的安全性の作り方

心理的安全性を高めるための職場づくりは、特別な仕組みや大きなイベントだけではなく、日常の小さな行動の積み重ねから始まります。あいさつや笑顔、呼び方への配慮、反応を返すこと、雑談やお祝いの時間をつくることなど、すぐに実践できる工夫が心理的安全性を育てる土台となります。

今回ご紹介した6つの方法は、誰でも今日から取り入れられる心理的安全性の作り方です。チーム全員が少しずつ意識して実践することで、安心して意見を言える職場、挑戦を後押しし合えるチームが自然と生まれます。

より具体的な「心理的安全性の作り方」を体験的に知りたい方や、チームの一体感を実感したい方には、パティアの「料理deチームビルディング」がおすすめです。これは、チームメンバーと一緒に料理を作りながら交流を深め、経験を共有することで、人との関わりを大切にすることの重要さを学べる研修です。詳しくは【コチラ】をご覧ください。

心理的安全性の作り方を理解し、日々の職場で実践すること。そして体験を通して学ぶことで、より良いコミュニケーションと信頼関係が育まれ、チーム全体の成果向上につながります。小さな一歩を大切に、コツコツと実践してみましょう。

参考文献
塩見 康史・なかむら アサミ[著](2023年8月31日)、『わたしからはじまる心理的安全性 リーダーでもメンバーでもできる「働きやすさ」をつくる方法70』、翔泳社