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心理的安全性とは?料理体験で実感する職場の安心感とつながり
「心理的安全性」という言葉を、最近よく耳にするようになりました。
これは「自分の意見を言っても否定されない」「失敗しても責められない」といった、職場で安心して発言や行動ができる状態を指します。
本記事では、心理的安全性についての定義や注目される背景、職場にもたらす効果をわかりやすく解説した上で、近年注目されている“体験型アプローチ”――特に「料理」を活用したチームビルディングが、心理的安全性の醸成にどのように役立つのかを深掘りします。
■目次
1. 心理的安全性とは
2. 歴史的背景と発展
3. 心理的安全性が欠けた職場に起きる“心のブレーキ”
4. なぜ今、心理的安全性が重要なのか?メリットは?
5. 心理的安全性を高めるためにできるアクション
6. 過剰な心理的安全性の落とし穴
7. 「信頼」との違いは?
8. 心理的安全性は“ぬるま湯組織”とは違う
9. 心理的安全性は「体験」で深まる
10. なぜ心理的安全性を高めるのに「料理」が効くのか?
11. 心理的安全性とは?まとめ|料理体験から育てよう
心理的安全性とは
心理的安全性(Psychological Safety)とは、ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が提唱した概念で、「チームの中で人間関係のリスクを取っても安心できる状態」を意味します。
わかりやすく言うと、「自分の発言や行動によって非難されたり、評価を下げられる心配がないと感じられる状態」のこと。
チーム内でミスを認めたり、率直な意見を交わしたり、助けを求めることができる――その安心感こそが、心理的安全性の中核です。
これは個人の性格ではなく、チーム全体の空気感や関係性に深く関わるもの。たとえば、「どんなことを言っても受け止めてもらえる」という前提があると、人は自然と自分の意見を表現しやすくなります。
実際、こうした状態は生産性や創造性にも直結しています。
Googleが行った社内調査「プロジェクト・アリストテレス」でも、成果を上げるチームの最大の共通点として、この心理的安全性が挙げられました。
歴史的背景と発展
この概念のルーツは1950年代の心理学にあります。
カール・ロジャーズが「創造性を育むために必要な環境」として提唱したのが始まりでした。その後、組織論や経営学の分野でも注目されるようになり、近年ではエイミー・エドモンドソン教授による科学的裏付けにより、ビジネス界にも広く浸透しています。
トヨタの「アンドンコード」や、アメリカの医療現場におけるエラー報告文化なども、心理的安全性が実践された好例として知られています。
心理的安全性が欠けた職場に起きる“心のブレーキ”
心理的安全性が確保されていない職場では、メンバーが以下のような“心のブレーキ”を感じやすくなります。
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無知だと思われたくない → 質問ができない
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無能だと思われたくない → 失敗を隠す
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邪魔だと思われたくない → 自分の意見を控える
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ネガティブだと思われたくない → 問題点を指摘できない
結果としてミスが表面化しにくくなり、意思疎通も停滞。
最悪の場合、チームの活力や成果にも深刻な影響を与えかねません。
なぜ今、心理的安全性が重要なのか?メリットは?
現代の職場は変化が激しく、正解が一つに定まらない課題に向き合うことが増えています。
そんな環境では、メンバー同士が自由に意見を出し合い、失敗から学び続ける「学習する組織」であることが求められます。
心理的安全性があることで、以下のようなメリットが生まれます。
【個人へのメリット】
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自分の考えを自由に発信でき、自己効力感が高まる
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新たなチャレンジに前向きになれる
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ミスや課題を共有しやすくなる
【チーム全体へのメリット】
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情報共有がスムーズになり、トラブルの早期発見につながる
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多様な視点が活かされ、イノベーションが生まれやすくなる
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チームの結束力が高まり、生産性やパフォーマンスが向上する
心理的安全性を高めるためにできるアクション
心理的安全性を育むためには、組織の各レイヤーで意識的な行動が必要です。
【経営層・人事部門】
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1on1やワークショップの実施
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エンゲージメントサーベイで現状を可視化
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「フィードバックを歓迎する文化」づくり
【マネージャー・リーダー】
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自らの失敗談をオープンに話す
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部下に意見を求め、傾聴する
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批判せず、まず受け止める姿勢を示す
【メンバー一人ひとり】
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相手の話をさえぎらず、最後まで聴く
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異なる意見を排除せず、尊重する
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感謝やねぎらいの言葉をこまめに伝える
過剰な心理的安全性の落とし穴
一方で、心理的安全性が高すぎると緊張感が失われ、「なあなあ」の関係になってしまうこともあります。
たとえば、自由に発言はできても建設的なフィードバックがなく、責任感が希薄になるようなケースです。
心理的安全性は、単に「高めれば良い」というものではなく、チームの目的やフェーズに応じてバランスをとることが重要です。
「信頼」との違いは?
「信頼」と「心理的安全性」は混同されやすい言葉ですが、実は異なる概念です。
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信頼:個人間の関係性に基づき、「あの人なら任せられる」といった評価
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心理的安全性:チーム全体に対する感覚で、「このチームなら安心して発言できる」といった文化や空気感
また、「信頼」は時間をかけて築く長期的なものですが、「心理的安全性」は“今この瞬間”の安心感にも大きく影響します。
心理的安全性は“ぬるま湯組織”とは違う
「心理的安全性がある=甘い職場」と誤解されることもありますが、実際は真逆です。
心理的安全性のある職場では、むしろ「対立を避けない」「本音で議論できる」風土が育ちます。
波風を立てないことが優先される“ぬるま湯組織”では、問題が先送りされ、チームの成長も止まってしまいます。
心理的安全性は「体験」で深まる
心理的安全性の重要性は理解していても、いざ職場で実践しようとすると難しさを感じる方も多いのではないでしょうか。
日常的なコミュニケーションや仕組みの改善だけでは、なかなか「心から安心できる関係性」を築くのは難しい――そんな声もよく聞かれます。
そこで注目されているのが、“体験”を通じて関係性を育むアプローチです。
共に何かに取り組むことで、理屈ではなく感情のレベルで距離が縮まり、自然と協力・対話・相互理解が生まれます。
たとえば、こんな体験が挙げられます。
・チームで一つのアート作品を作るワークショップ
・森の中で協力しながらミッションをクリアするアウトドアアクティビティ
・笑いや気づきが生まれる即興演劇やボードゲーム
そして、「一緒に料理をする体験」もそのひとつです。
なかでも料理は、心理的安全性の醸成にとても適した体験です。
なぜ心理的安全性を高めるのに「料理」が効くのか?
それは、料理という行為の中にチームワークの本質が自然と織り込まれているからです。
たとえば……
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協力しないと完成しない → 自然な対話と助け合いが生まれる
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誰もが得手不得手を持ち寄る → 弱みを補い合う感覚が生まれる
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失敗しても笑いに変えられる → 完璧を求めない風土が育つ
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完成した料理を一緒に味わう → 達成感と感謝が共有される
こうしたプロセスを通じて、役職や年齢といった肩書きを超え、「人と人」としての関係が自然に育まれます。
また、料理は日常的で身近な行為だからこそ、構えすぎずリラックスして取り組めるのも大きなポイント。
“安心して失敗できる”場を実際に体験すること自体が、心理的安全性の第一歩となるのです。
心理的安全性とは?まとめ|料理体験から育てよう
心理的安全性は、単なるスローガンではなく、チームの力を最大化するための土台です。
そしてその土台は、日々のコミュニケーションや小さな信頼の積み重ねから生まれます。
「料理」という共通体験は、構えずに自然な形でお互いを知り、認め合うきっかけになります。
制度ではなく、行動と感情に基づいた心理的安全性の醸成を目指すなら、料理を通じたチームビルディングは非常に効果的です。
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